2017年09月01日

被災建築物応急危険度判定 模擬訓練参加

 今日は9月1日、防災の日です。1923年のこの日に関東大震災が起こったので、この日が防災の日になったのですよね。

 私は静岡県建築士会員として、静岡市が主催する被災建築物応急危険度判定の模擬訓練に参加してきました。

 「応急危険度判定」とは、大地震が起きた時に、その建物がその後も引き続き使用できるかどうかの判定をするものです。その判定の結果、危険であれば赤色、要注意であれば黄色、問題なければ緑色のステッカーを建物に貼っていきます。

 この判定は応急危険度判定士が行います。応急危険度判定士は、建築士資格を持ち、決められた講習を受けることでなることができます。私も一級建築士資格取得後、すぐに応急危険度判定の講習を受けました。

 私自身はまだ実際の大地震での判定業務を行ったことはありませんが、このような訓練に時々参加して、判定の方法を忘れないようにしています。本日の訓練に備えて、昨晩、応急危険度判定士手帳を読み返しました。


 赤(危険)、黄(要注意)、青(調査済=安全)の判定に大きな影響を与えるのが、建物がどれだけ傾いているか(=傾斜)です。傾きが少ない方が被災度が少ないということになります。

 傾斜測定には下げ振りという測定器を使います。測定器と言っても原始的なもので、おもりの付いたひもをぶら下げて、根元の部分と先端の部分での離れの差を測定します。


 1200mmの高さで、20mm以上の傾斜があれば要注意、60mm以上の傾斜があれば危険となります。

 今回は、会社事務所近くの厚生病院とその近隣の住宅16軒の傾斜測定を訓練として行いました。実際の応急危険度判定には他にもいくつかの項目があるのですが、建物がどれだけ傾いているかが判定結果に及ぼす影響が大きいため、この部分のみを行おう、ということです。


 静岡市の担当者、インターシップ生、応援市である藤枝市の担当者の方と4名で回りました。

 今回は地震が起きたわけではないので、被災した建物があるわけではありません。しかし、傾斜測定をしてみると、やはり古い家の中には若干、傾斜のあるものもありました。かと言って、判定結果が黄色になるわけではなく、全ての家が青相当の傾斜に収まりました。

 訓練に向かう前は、少し不安なこともありましたありました。しかし、訓練を終わってみれば、机上では気がつかなかったこともいろいろとありましたし、実際の判定業務の時の課題も見えてきました。1時間にも満たない訓練でしたが、私にとっては有意義な訓練だったと思います。

 訓練終了後、会社事務所に戻ってから、アマチュア無線による通信訓練にも参加しました。これはアマチュア無線を使って、いろいろな情報を静岡市に集約するための通信訓練です。自宅にもアマチュア無線用のアンテナが設置してありますが、今回はあえて携帯型のハンディトランシーバーを使用して、静岡市が設置したアマチュア局と交信できるか試してみました。事務所の前の道路から呼び出してみたところ、無事つながり、応急危険度判定に参加してきたことを伝えました。



 大地震、来ないのが一番ですが、来たらどうするのか、考えることができた防災の日となりました。

(片桐秀夫)  


Posted by katagiri at 10:49Comments(0)防災