2017年08月04日

ベッドを製作してみました。

 先代の頃からお付き合いさせていただいている、老夫婦宅にて。
奥様が今までフローリングの部屋で布団を敷いて寝ていたのですが、足腰が弱ってきたこともあり、ベッドにしようとかと家具店を回ったのですが、希望するものが無かったそうです。

 というのも、寝室としている部屋は4.5帖、この方の身長は145cmほど。市販の大きなベッドは部屋に納まりきれないし、身長から考えるともっとコンパクトで良いのです。

 当初、ふとんが置けるだけの簡易的な台を想定していたのですが、出来上がったものはまさしくベッド。材料は積層板、胴縁等、建築業界で多く流通しているものを使用しています。パーティクルボードは使用していませんから、市販の家具よりも強度は十分あるでしょう。塗装も掛けませんでした。それでも、実用的には申し分なく、施主様には喜んでもらえました。全長165cmしかありませんが、これを使う人にとってはベストな寸法なのです。


 大工さんの作るベッドなんて、あまり聞かないでしょう? こんなことが出来てしまうのは、やはり、当社が考える建築というものが、工場での大量生産ではなく、その時その時に対応する一品生産だからなのだと思います。それぞれの人に合った、最適な提案ができるように、これからも考えていきたいと思います。

(片桐秀夫)

  


Posted by katagiri at 10:05Comments(0)家具

2017年03月13日

家具の修理

 家具も建築と同じく、人間を取り巻く環境にあるもので、生活に欠かせないものです。
当社では造り付けの家具は扱いますが、ソファーや食卓と言ったような家具は家具屋さんにお任せすることになります。

 静岡市駿河区池田の通り沿いに「カリモク家具」のショールームがオープンし、気にはなっていましたが、実際に見に行ってみました。

 このショールームでは様々な家具が展示してありますが、直接の販売は行っていないようです。家具そのものを体感できるショールームです。展示コーナーには会社の歴史や、家具ができるまでのビデオ放映がされていました。家具ができるまでのビデオは興味深かったです。原木から加工されて段々と家具になるまでを見ることができました。木造建築も木からできていますが、同じ木でも家具と建築では扱いが色々と違いますね。



 ところで、このショールームでは修理やパーツの取り寄せも行っているようですので、利用してみました。

 実家にも先代が残してくれたソファーや食卓があり、なかにはカリモク家具のものがあります。

 もう一つは食卓イス。こちらは25年前くらいの商品だと思います。毎日の食事の時に使用しています。座面のクッションにひび割れが起きたり、破れていたりしたのですが、クッションを置いてだましだまし使っていました。


 一つはソファー。35年くらい前の商品ですが、飽きのこないデザインで、今の時代の目で見てもスタイリッシュに思えます。もう10年くらい前にスプリングがおかしくなってしまい、放置してあったものです。



 それらを写真に撮って、カリモク家具のショールームに持ち込んで、見てもらいました。すると、20年以上前のカタログを出してきてくれて、そっくりの家具を探してくれました。大きさ、色、形、ほとんど同じなので、カタログに載っている商品に間違いありません。どの部分が壊れているか説明し、パーツを取り寄せてもらうことになりました。パーツを取り寄せると言っても、どちらの家具も生産中止から時間が経っているので、ただ単に取り寄せるのではなく、注文生産してもらうということになります。

 注文して3週間ほどして電話連絡が入ったので、ショールームに取りに行きました。食卓イス6脚分と、ソファー1脚分で、結構な大きさにはなりました。


 早速、交換作業をしてみました。

 まずは食卓イス。既存のクッションはねじ3か所で留まっていました。電動ドライバーを使って交換しましたが、トルクを弱めにしないと家具自体を壊してしまうかもしれません。とは言え、ネジの受け側にもしっかり金物は入っていてしっかりしています。




新旧のクッションを比べてみました。新しいのはさすがに良いです。


造りは丁寧ですし、寸法も正確、さすがMADE IN JAPANです。

無事交換できました。

 続いて、ソファー。4か所で留まっている以外に、根もたれ部分とはボルトで連結されていました。





 取り外した、今まで使用したクッションです。廃棄物として処分することになります。


今まで、長い間ありがとうございました!

 30年以上前の商品でもパーツが供給できる体制になっているのは、驚くべきことでした。そっくり取り換えてしまうのも一つの方法でしょうけど、愛着のある家具を使い続けることができるのは幸せなことだと思います。

 新しい気持ちで家具自体を引き続き使うことができ、とても清々しい気分になりました。

(片桐秀夫)  


Posted by katagiri at 09:13Comments(0)工事家具