2016年06月13日

鉄筋コンクリートに穴を開ける前に

 鉄筋コンクリートに配管を通すときは、コンクリートを打設する前に、予め、ボイド管と言われる紙管を通しておきます。そうすることで、鉄筋と干渉しないように穴を開けることができます。

 しかし、改修工事等で、出来上がった鉄筋コンクリートに穴を開ける必要のある場合があります。この場合には鉄筋を切断しないようにすることが重要です。

 鉄筋コンクリートのどこに鉄筋が入っているのか? 以前は、レントゲン写真みたいなものをとり、鉄筋の位置を把握したりしていました。レントゲン写真は現場で行いますが、とても大掛かりなもので現像時間もかかります。放射能被爆の問題もあります。

 もっと簡易に鉄筋の位置を知る事ができないかと、探していたところ、以下のような製品をみつけました。
ボッシュ社製 デジタル探査機 GMS120

 このタイプの探査機は以前にも使ったことがありますが、コンクリートから鉄筋への深度(=かぶり厚さ)が大きい場合、ほとんど役に立ちませんでした。この探査機ですと、カタログスペックで「最大探知深さ120mm」とうたっています。念のために、コールセンターに電話して聞いてみましたが、当社の目的に沿っているように思ったので、思い切って購入しました。

 早速、鉄筋コンクリートの壁に当てて使用してみました。結論から言えば、ほぼ正確に鉄筋の位置を知る事ができました。今まで使った探査機とはかなり違います。

 実際に使った様子を紹介します。

まず、コンクリートに探査機をあてます。

液晶画面のバーが全点灯していません。この状態は、ここには鉄筋がない、ということです。

このまま左右に探査機を動かすと、

このように液晶画面が全点灯する場所があります。これが鉄筋の位置です。同じように左右をずっと動かしていくと、縦方向の鉄筋がある位置が次々と判ります。

同じように探査機を横向きにし、上下に探査機を動かすと横方向の鉄筋の位置が判ります。

このようにして判った鉄筋の位置を、赤色のビニールテープで印しました。ここで、改めて探査機を動かしてみると、鉄筋のある位置とない位置が把握できていることが判ります。



 当工務店で請負う仕事は、大工工事こそ自社施工で行いますが、多くの工事を専門の協力業者に依頼します。しかし、協力業者にそのまま投げるのではなく、このような鉄筋の位置の把握を行って、誤りのない工事を依頼することは工務店としてのやらなければいけないことだと思います。これからもより良い工事を行うことができるように努力していきたいと思います。

(片桐秀夫)  


Posted by katagiri at 10:01Comments(0)工事